ポンジスキームの概要、実際の運用はしない
- 架空の高利回り投資商品をつくる
- 出資を募る
- 集まった出資金の中から分配金を払う
- 分配金を受け取った出資者が次の出資者を勧誘
- 出資者が増えなくなった時、分配金がとまる
- 出資者が騒ぎ出したらお金を持ってとんずらする
上記がおおよその流れですが、そもそもなぜポンジスキームと言われるのか?それは1910年代に活動していたチャールズ・ポンジなる人物が詐欺の手法としていたことが由来です、それではその手法の詳細を見ていきましょう
架空の高利回り投資商品で出資を募る
例えばこんな感じです「経済成長すさまじいインドで立ち上げた新規事業がどんどん伸びていて出資者を募っています、1口10万で月利5%、まだこの情報を知っているのは私の会社と一部の人だけで更にこの事業は国も推しています」てな感じでパンフレットを片手に巧みに誘うわけです
しかも架空とはいえ作りこまれたパンフレットと清潔感あふれるスーツ姿のイケメンや綺麗な女性が熱く語る訳です、またおきまりのパターンですが既に投資をしている方の笑顔いっぱいの喜びの声が掲載、こうして出資者を募ります
集まった出資金の中から分配金を払う
具体的な過程を見ていましょう
- 1口10万×10人=100万
- 翌月10万の5%(5千円)を10人に支払うと残は95万
- 新たな出資者のお金を既存の出資者へまわすことを繰返す
- 分配金を受取った出資者は捕らぬ狸の皮算用をします
- 10万投資してひと月5千円ってことは年間6万も儲かる(年利60%)
- なんなら追加で出資を考える
- しかも現実に分配金を受取ったことで信用します
- すると得をした出資者がそれを友人に伝えるスピーカーになります
- こうして地道な詐欺の勧誘とスピーカーの両輪で出資者は順調に増え続ける
- そして出資者の増加がとまり減少に転じる瞬間に出資金の総額がピークを迎える
- トップ経営陣はこの段階でお金をもってトンズラ
- 架空の投資ビジネスを信じて悪気なく加担した者が事務所に残されます
- そして分配金がストップし出資者たちが騒ぎ出します
- それを知った他の出資者たちが青ざめる
- この段階でニュース報道され社会問題化し周知の事実になります
エクシア倒産
2024/10/18:9千人から850億を集めた合同会社エクシアが倒産、経営者は大阪北新地のナンバーワンホステス「ひめか」さんに貢いだ金額でも話題になった元凄腕FXトレーダーでした、合同会社の性質とこの会社自体が直接投資で運用していなかったことなどからポンジスキームによる詐欺になるかは疑問視されています、ここではこれ以上はふれませんが興味のある方は調べてみると色々勉強になると思います、特に合同会社の形態は面白いと思いますし、個人的には日本生命の相互会社と類似点もあり世の中の会社形態は様々です、ちなみにエクシアでは月利2~3%をうたっていたようです
発信する側はわかっている
バカでも稼げる・・・とか、専業主婦でも簡単に1万稼げる、なんてタイトルの記事を見たことはありませんか?このような情報を発信する側の立場で考えてみます
まずは、このたぐい記事に興味を示すのはどんな人たちだと思いますか
- 今、稼げてない人
- お金に困っている人
- 簡単に稼ぎたい人
上記のような方だと思われます、そしてこのような人たちの共通点として多いのが
- 借金がある
- 欲しいものを我慢できない
- 見栄っ張り
- 人に勧められると断れない
- えてして切羽詰まっている
- だから冷静な判断ができない
要は発信する側はカモにしたい客層をひきつけるタイトルをわかって使っているってことです、特に切羽詰まり冷静な判断ができない状態で更に「急がないと募集枠が埋まってしまう」とたたみかける訳です、以前の記事でも書きましたが儲け話が一般庶民の私たちのもとへ簡単に舞い込んでくることはありません、本当にいい話なら他人に教える前に親しい仲間に教えませんか
もうちょっと例をあげれば「・・・が出来ない人は成功しない」というタイトルで記事を書いたら・・・の部分が出来ていない人が興味を示します、そしてそれを詐欺に利用する人はどんな人が集まり、その人達をどう誘導すれば罠にはまるかを理解しています、このことはマーケティングの勉強をしたことがある方にとってはきっと常識です
「よく敵は味方のような顔をして寄ってくる」といわれます、詐欺師が詐欺師の顔をしてくれていれば分かりやすいのですが、実際にはそんなことはなく優しく寄り添うように懐に入り込んでくるんだと思います、その点では自分の頭で考えることを放棄した人より才能はあるんでしょうね
私は長年、紳士服店の販売員として仕事をする中でお客様の入店時の目線や反応、入店後の行動をみて習慣的に判断してしまうことがあります、その一部を紹介します
- 入店直後に販売員から目線をそらし反対方向へ向かう
「なんか迷い事がおありですか、ご相談にのりますよ」と話しかけます、お客様の予想する販売員のアプローチはきっと誰しもが一度は聞いたことがあるフレーズ「なにかお探しですか」が一般的です、お客様の初動から警戒心を持っていることは明白なので、意表を突くアプローチを心掛けます
- 行動の過程で手をふれたり立ちどまったところの商品を記憶
お客様とある程度コミュニケーションがとれた際に提案する商品は上記をヒントに実施、例えば大切な人とのデートの際もし誕生日が間近だったら、その人が興味を示すモノやことを記憶にとどめプレゼントのヒントにしませんか?
- 着ている服の色
人は嫌いな色は身につけない、最初の提案ではお客様が身につけている服の色を提案
- 肌色、髪色
個人的に勝手なイメージを膨らませ似合いそうな商品を連想する、「お客様の肌色にはこんな色のスーツが似合うと思います」と提案を切り出します
- 「一回しか着ないんだよ」
個人的にはこのワードがでたらテンション駄々下がりです要は、この次いつ着るかわからない服にお金をかけたくないってことです、しかも用途をたずねると身内や友人の結婚式などです、そこにお金をかけたくない若しくはかけるお金がないってことは、先をみた生活をしていないし人間関係を大切にしているとは思えないレベルです、勿論お客様ですから自然な応対はしますが・・・
さて私の仕事の話はさておき販売員でさえお客様のことを少しでも知ろうと努力するわけです、仮に販売員としてのレベルが低く接客中に失敗しても捕まることはありませんが、詐欺師は騙し方を間違えればお金が手に入らないどころかブタ箱いきです、最近おこったトケマッチの事件やエクシア倒産のスキームはかなり作りこまれているような気がします
まとめ
- 月利3%ときいたら年利36%(超高利回り)
- 更に元本保証(夢のような儲け話)
にくわえて
- 募集期限が迫っているなど急がせる
- この投資商品は我社しか扱っていない
- 情報を知ったあなたはラッキー
要は絶対損をしない商品に「今だけ」・「ここだけ」・「あなただけ」の三拍子そろったら、ほぼ詐欺です、質素倹約し貯金・投資を継続しやっと増えてきたお金を守るために勉強し理論武装していきましょう
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