開かずの金庫を開けたら・・・中にはお宝が?なんてのをテレビで見たことがあります、あれって夢があってワクワクしますよね、ストーリーは概ね数十年開かずの金庫の前に親族が集まり開錠の瞬間を見守るって感じ、他人事にもかかわらず興味津々な方も多いのではないかと思います私も同様です、投資カテゴリー5記事目はそれを経済的視点で考えたら・・・お宝をゲットする側でなく持ち続けた当事者目線で比較してみました
泣き笑い、投資目線でみた開かずの金庫開錠の現実
1974年に金1gを金庫に入れたAさんと現金1,980円を金庫に入れたBさんの50年後を考察してみます、結果からいうと50年後手にする金額はAさん約14,000円、一方Bさんは1,980円です
- 1974年:金1グラムは1,980円 → 2024年:金1グラムは13,879円 約7倍(出典:ウリドキ)
- 1974年:現金1,980円 → 2024年:現金1,980円 1倍
二人に訪れた50年後の現実は金庫に金1gを入れたAさんは7倍になった金を売れば約14,000円になった一方現金を持ち続けたBさんはそのままです勿論Bさんの現金には骨董(こっとう)としての価値はあるかもですが、あくまで1,980円
ただ上記の結果は金額という一面だけです、ここで疑問が湧きませんか?
金の価格があがったように生活必需品も高くなっていたらお金が増えても買えるモノは変わらないのでは?・・・そうなんです1974年に1,980円だった生活必需品が50年後14,000円になっていたら生活水準はさして変わらないですよね、でも考えてみて下さい購買力は維持されてますよね
話を整理します
- 金庫に1gの金を入れたAさんがしたことは結果的に投資
- その結果インフレを回避
- 一方Bさんは現状維持
- 結果インフレに対応できずでした
- じゃあ投資かってことですがリスクあり
- とはいえ現金だけってのもリスク
- 購買力を維持することは生活レベルを維持するのと一緒
購買力の維持は投資以外にも収入を増やすのも有効な手段ですが実質賃金何ヶ月連続で下落、最近ニュースでよく聞くフレーズです要は賃金(給料)は上昇するもそれ以上にモノの値段が上がっているので購買力が追いつかない、まさに開かずの金庫に現金だけを持ち気づけば・・・『ん、以前買えたモノが買えない』浦島太郎状態です
一般人が知らない投資界隈の常識と逆算思考
お金は好きですか?仕事は好きですか?大半の方の答えは前者はyes後者はNoだと思います、どちらの方も知っていて損のない知識、考え方を3つ紹介します
- r>g:資本収益率は経済成長率より大きい
- 72の法則:投資資金が倍になる年数を計算できます
- FIRE:早期リタイヤ後、資産収入で生活費を賄える状態
と言ってもピンとこないですよね、私もそうでした
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株主や地主が投資で得る収益の成長は労働収入の伸びを上回るってことです、これに関しては開かずの金庫の話でふれたとおり50年で資産は約7倍でしたが労働収入(給料)はどうでしょう、調べてみました1974年の平均年収は173万、2023年は464万で2.63倍、これを中央値でみると2.02倍です、勿論資産7倍は金価格をベースにした考察ですのであくまで参考です
72の法則:
- 運用利回りで資産が倍になるまでの年数がわかる数式です
- 式は72÷運用利回り=倍になる年数
現在30才の方が250万を投資し、その運用利回りが5%だったら14.4年後には倍の500万になるってことです、これを導き出した関数を私は理解していませんが投資界隈ではメジャーな数式です、それでは借金250万を例に倍の500万になる過程を検証してみます、一般に消費者金融のリボ払い(毎月均等払い)の場合年利15~18%なので年利15%の複利で計算します
まず倍になるまでの年数は4.8年です、式は72÷15=約5年(4.8年)で倍になります
- 1年目:250万×115%=287.5万
- 2年目:287.5万×115%=330.625万
- 3年目:330.625万×115%=380.219万
- 4年目:380.219万×115%=437.252万
- 5年目:437.252万×115%=502.839万
- 確かに5年で倍、それにしても複利のパワーは凄いですね
- 注意点:結果はあくまで250万の借金を1円も返さず放置した場合です
FIRE(ファイヤー)資産収入で生活費を賄える状態を若くして確立しリタイヤすること
- F=ファイナンシャル=経済的
- I=インディペンデンス=独立
- R=リタイヤ=退職
- E=アーリー=早期に
投資界隈では資産額が3億を超えるとお金は減らないと言われます、その訳は資産(株や債券、社債、不動産)の運用利回り5%がキーワドになります、資産3億×年利5%=1,500万(税抜1,200万)どうでしょう実際に資産収入だけで1,200万なら、よほどバカなことをしなければお金は減らないですよね
ただ上記の話は私を含め庶民レベルでは宝くじでも当たらなければ無理ですよね、また資産収入で生活費をまかなえる状態と言っても、そもそも必要とする生活費も資産額も人それぞれ違いますので、FIRE(早期リタイヤ)後に必要な資産収入の目安を私の母親の生活を元に1ヶ月11万として検証してみます、参考までに以下が資産収入を11万とした母の生活状況です
- 50代で父他界後、収入は遺族年金月額11万のみ
- 父他界後、仕事は一切せず
- 80代の現在まで生活は成り立っている
- 戦時下に幼少期を過ごしたせいか生活は質素
- 家賃は3.6万
- 食費など詳細は不明
- 現在も貯金は微増ながらも増え続けている
検証条件は
- 現在、年齢30才で20年後50才でのFIREを目指し働き蓄財
- 50才以降の生活費を15万として資産収入11万との差額は少しだけ働いて得る
- 65才以降の年金受給額は4万とする、理由は早期リタイヤ後の社会保険料納付が少額
- 65才以降は働かない
- NISA(少額投資非課税制度)枠を目一杯使う
50才時点でなっていたい結果は資産収入11万です、その過程を逆算してみましょう
- 月11万(年132万)の資産収入を得るのに必要な投資額は2,640万(2,640万×5%=132万)
- 言いかえれば50才までに2,640万投資していなければならない
- その為には毎月11万の投資を30才から20年して50才時点で資産2,640万
- 勿論、その間も生活費は必要なので
- 30~50才の生活費月額を15万として毎月11万の投資をするには手取26万必要
- すると50才以降はちょっとだけ働き不足分を補い、65才以降は年金4万+資産収入11万=15万
- けして裕福とはいえませんが生きてはいけそうです
- 但し年金4万はあくまで仮定です、払い込んだ社会保険料で個人差あり
- もう一つはNISA枠を超える部分には税金がかかるので実際の投資額はもう少し必要
単純計算でシュミレーションしましたが、ここで72の法則を思い出して下さい
- 年利5%なら約15年で投資資金は倍になることを検証をしました
- つまり30才から投資を始め50才でファイヤーを目指す訳ですから投資期間は15年超え
- すると30才にスタートした初年度の投資額132万は45才時点で倍の264万に
- 同様に31才からの年間投資額132万も15年後の46才時点で倍です・・・
- すると2,640万の投資額にたっするのは月々11万×20年の単純合計より早く達成できます
やはりFIREするハードルは高いですが検証条件を上回る収入や生活費の抑制、もしくはめざす資産収入を減らせば可能では?・・・
ここで少しだけNISAにふれます、NISA枠は積立てだけでは埋まりません
- 積立て投資枠600万+成長投資枠1,200万=計1,800万
- 成長投資枠への投資銘柄は自分で選ぶ必要あり
- 選ぶには判断に必要な指標や決算書、経済ニュースを理解できる前提知識が必須
- 更に国が何に力を注ごうとしているのか掴めないと株価が上昇する企業の予想が出来ません
- 円高円安?、金利上昇→株価下落等の流れが?では話になりません
- また単利と複利、利息と利回りの違いが?も同様です
投資カテゴリーの以前の記事で大雑把ですが指標や決算書にはふれています、また経済ニュースの理解できない点は検索すればスマホに表示される便利な世の中です要は学ぶ気持ちのあるなしだけです、どんなことも初動に苦労はつきもの初動につまづき挫折せず学んでいきましょう
話をかえます、家計カテゴリーの前回までの記事で家計管理も投資も豊かな生活へ向けての手段でしかない、また生活のなかで発生する様々な出費を見える化し出費が現実になるまでに積立てようともと話ました、同様になりたい自分を描いただけでは実現しないのが夢です
個人的には
- 夢はふわっと『こういなったらいいな』
- 目標は字の如く目指す標(しるべ)がある
と理解しています、夢を目標にし具体的な過程を考えることは前章のFIRE(早期イタイヤ)までの過程検証と同様です、仮に20年後お店を持ちたいという夢があるのなら考えなければならないことがありますよね
- 家賃はいくら?
- 必要な設備はいくら?
- 場所は?
- 軌道にのるまでの資金は?
- その他・・・諸々
上記の合計が1千万であればそれを生活しながら積立てなければ店舗のオープンは出来ません、月収25万円なら
25万円-夢と未来の生活出費に備えた積立て=生活費
- 夢の必要資金:1千万÷240ヶ月(20年)=月々約4.2万円(41,666円)
- 車検や車の買い換え費用など未来の出費の積立て=7万円(仮定)
- すると月収25万円-4.2万円-7万円=13.8万円
月収の約半分で生活しなければ夢の実現はできないことになります、お金持ちは別にして庶民レベルでは未来の豊かさを求めると今は我慢、現在の豊かさを求めると未来は・・・?
- 今を目一杯楽しみ未来の夢も達成したい? → 今もお金を使い未来はもっと使うってことです
- 大切な人を守りたい思いはあるが経済力は? → 守られる側からみれば思いだけで守れるの?
- 夢を語るけど行動は? → 語りと行動が不一致
思い描く夢と現実のギャップを認識した地点がスタートです、そして目標達成までの具体的な工程を細分化し、その都度計画と現実のズレを検証・修正・・・
最後に私たちは仕事を通して何人の人を喜ばせているのでしょう・・・?
エグザイルのコンサートで東京ビックサイトに行った際、当日の観客数約4万人、数時間のコンサートでそれだけの人を歓喜させる彼らに対して自分は・・・こんなことを思いました
サラリーマンであれ経営者であれ喜ばせる人の数に収入は比例するのかな・・・私はアパレルの店員ですが喜ばせる客が多ければリピートや評判につながり結果お店の売上が更には会社の業績も上がり、その対価として給料なのかな・・・なんてね
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